イラストストーリー

アンジュ・ヴィエルジュ PROGRESS’S PORTRAIT

1st episode ブルーミングバトル!
「よーっし、久しぶりのブルーミングバトルーっ!」
 目の前に広がるのは、広い広いスタジアム。
 私たちがブルーミングバトルで使用する、「コロシアム」と呼ばれる運動場。
 東京よりずっと南に位置する青蘭島の風は、夏を感じさせて気持ちいい。
「人を無理矢理誘っておいて、久しぶりもなにもないでしょう……」
 ちょっぴり機嫌の悪そうなソフィーナちゃん。
 地球と繋がった世界のうちの一つ、黒の世界の出身で、「私は次期女王よ!」ってよく言ってるけど……
 暑くないのかなぁ、あのフリッフリのドレス。
「それに美海。貴女コロシアムの使用申請、出してなかったわね。」
「だって、書類とかそういうの苦手なんだもん……」
 こういう細かいところに気がつくのが、いいところでもあり、悪いところでもあり。
「あとこの間、犯人不明の試験棟が竜巻で崩壊した事件があったけど……あれ、貴女よね?」
 こういう、無駄にスルドイところもソフィーナちゃんらしいなって思う。
「な、なんのことか全然分かんないなーっ?」
「分かりやすい反応をありがとう。自分のエクシードくらい、きちんと制御できるようになりなさい?」
 使い魔に乗りながらふわふわ浮いているソフィーナちゃんは、なんていうかとっても優雅。
 私みたいに、エクシードの操作に失敗して校舎を吹き飛ばしちゃったりなんて絶対しない。
「わ、分かってるもん。だから今日、特訓をお願いしたの!」
「やれやれ。黒の世界では泣く子も黙る『理深き黒魔女』を気軽に呼びつけるのなんて、貴女くらいよ」
「だって、ソフィーナちゃんは私の友達だもん!」
 周りの子たちからは、怖いって言われることもあるみたいだけど。私にとっては、ワガママを苦笑しながら聞いてくれる、とっても強くて賢い、私の友達。
「そ、そうね! 何かあっても天才魔女の私がいれば、何が起きてもどうにかなるしね!」
 どうしてか、赤くなって急に早口でまくし立てるソフィーナちゃん。
 もともと、私たちプログレスはブルーミングバトル中はフィールドのおかげで怪我なんてしないんだけど……
 でも、そっか。ソフィーナちゃんは、『あのこと』を知ってるのかもしれない。それなら話が早くて助かるなぁ。
「そうなの! さっき先生に『お前のエクシードはαフィールドの遮断能力を超えている』って言われちゃって困ってたんだけど……ソフィーナちゃんがそう言うなら大丈夫だねっ!」
「……なんですって?」
「それじゃあ、全力で行っくよー!」
出展:電撃G’s magazine 2014年8月号掲載
電撃G’s magazine.com